先生と準備室 後編
これを聞かれたと思うと川村に腹が立つ。

「佳奈。ソファに座ろ?」

佳奈の手を繋いだままソファに座った。

「もぉ…血の味したじゃん。キスの時。
こんなに切れて…」

佳奈の唇をゆっくり手でなぞる。

そんな俺を見て佳奈はびっくりした

ような顔で見つめた。

だけどすぐに俺が木下から聞いた事を

話したら何故か目線を下にした。

下を見た瞬間佳奈の

顔が少し歪んだ。

ん…?

そう思い下を見ると、俺に繋がれた

少し血に染まった佳奈の手。

「なっ…!佳奈…お前…これ」
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