先生と準備室 後編

「これ、目に当てておきな」

水に濡らしたタオルを私に渡す。

「うん…ありがとう」

「佳奈?大丈夫?」

「ん?」

「なんかずっと俺の腕見てるけど」

だって…

「傷…」

私が手を弾いた時の傷が気になる。

凌久も怪我してるのに。それも私のせい。

なのに、私のことを気遣ってくれる。

「ん?あぁ…これ?全然痛く無いよ。
ほら、目に当てて。明日も腫れたままなら
いやでしょ?」

絆創膏が貼ってある手を私に見せ

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