先生と準備室 後編
だから、専門的な薬とか、包帯の巻き方

が綺麗だったんだ。

「ほら、左手出して?」

「あ、うん」

「あれ?左手は傷少ないな…でも、
掴まれたんだよな?」

「うん…」

凌久の言う通り左手は傷が少なく跡も

無かった。

「痣、なさそうだし、何もしなくても
良いよ」

「そうか?」

「うん」

「あ、でも絆創膏くらい貼らせて?」

「え?」

傷なんてなくない?

「手首。今佳奈が見てる反対側」

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