男装王子!






 そう言って食堂に足を踏み入れた輝くんの隣を、緊張しながら歩く。


 思わず足元を見ながら歩いてしまった、だって輝くんの隣を平凡な私が歩くなんて絶対ブーイング飛ぶって!



 「きゃーー!!!輝様ー!」


 「あれ、隣の人誰?下向いてるから、顔がよく見えないけど・・・」


 「そんなのどうでもいいって!それより輝くん!こっち向いてくださぁい!!」



 確かに・・・!良かった、私のことなんかどうでもいいよね!


 私の顔は輝くんと比べる間もなく劣っている。


 確かに、そんな平凡顔の私を気にするより、輝くんに夢中になったほうがいいよ!


 輝くんは可愛いだろう、ふっははは!愛でたいだろう、そうだろうそうだろう!



 「れ、黎くん・・・。ずっと下向いてるけど、もしかして気分悪くなっちゃった?」


 「ううん、全然大丈夫だよ。お腹空いちゃったなーって思っただけだから」



 
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