男装王子!
微笑みながらそう言うと、近くでガタッと椅子から崩れ落ちる人が続出した。
何事かと思ってバッとそちらを振り返ると、箸を持ったままポカンとした顔をしている人と目が合った。
ワイルド、というのだろうか?筋肉質な体育会系イケメンだ。
隣はお友達なのか、肘で肩をつつく体勢で仲良くポカン顔をしている。
・・・いや、辺り全員、ビックリ顔かポカン顔しかいない。
皆仲良いな、てか全員私のほう見てる???
いやそんなことあるわけないよね。流石に自意識過剰だよね。
「ねえ、輝くん。あのメニュー美味しそうだよね。俺、あれ頼もうかな」
「え、あ、うん・・・。ああ、何回か食べたことあるけど、ここの日替わりメニュー美味しいよ!僕も久しぶりに食べようかな」
輝くんが、私の分までメニューを注文してくれた。
「あの、大河くんと食べる約束してたんだけど・・・。一緒で大丈夫かな・・・?」
「いいよ、断る理由は全然ないから。一緒に食べよ?」