男装王子!






 思いっきり仰け反る私の身体を、輝くんが支えてくれた。


 そのおかげで、友じ…いや、りょーくんみたいにならなくて済んだ。



 「輝くん、ありがとう!」


 「ブッ…ッッ、い、ぃや…。無事なら…良かったけど…」


 「輝んが黎たんの不意打ちを食らった…。輝ん大丈夫かい?」


 「いや…、ちょっとトイレ行く……」


 「漏らさないようにね、じゃあいってらしゃい」


 「ガハッ……っ、…う、うん、いってきまちゅ…」


 「…輝ん、君は悪くないぞ絶対に…」



 私にはよく分からなかったけれど、りょ-くんは何かを察したように、慈愛の目で輝くんを見つめる。



 「輝くん間に合ったかな?」


 「…この話題はもうやめよう…、輝んは頑張ったんだから…」



 ……うーん、話の内容がいまいち理解できない…。



< 20 / 45 >

この作品をシェア

pagetop