男装王子!






 「・・・一緒に入ります。返事は?」


 「え、ああ、はい」



 適当に返事をして、チラッと私のほうを見てくる山本。


 え、なにこの極寒の眼差し?


 これが何もしてない状態とか言わないよね?私、知らず知らずの内にこの人の地雷ふんだやつ??


 少し首を傾げていると、山本は"一年B組"と書かれたプレートが下がっている扉を開ける。


 あれ、私B組だったんだ。理事長の話全然聞いてなかったから知らなかった、てへ☆


 つかつかと速いペースで歩く山本に対して、ゆっくりに近い私のペースに山本はイラッとした顔をしている。


 本当の紳士というのはな、決して女性を急かさないんだぞ。


 涼しげな美形のくせに、すっごい勿体ないことしてる気がする。この人本当に男かな?



 「・・・チッ。転校生の鳴瀬黎さんです。仲良くしてあげてください」


 「えーっと、とりあえず宜しくお願いしまーす」




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