男装王子!






 ちょっとした角を曲がって、人を担いでるのも忘れて保健室を見渡す。


 ベッドが奥から五つ、置いてあって手前には小さな椅子と机がちょこんとあった。



 あと、入った瞬間から気になってたのが。


 今もベッドがギシギシ、と激しく揺れているけど、誰か体調が悪いんだろうか?


 よく聞こえないけど、抑えたような声と共に水音のようなものが聞こえてくる。



 「…あれ、養護教諭いないな…。ベッドって勝手に使っていいのか?」



 眠ったままの花園を一旦、近くの椅子に下ろして一応肩を掴んでおく。


 保健室のルールってあんまり分からないんだよなぁ…。


 保健室に、治療係という名の養護教諭がいると聞いたことがあるし、自国とそんな大した差はないみたいだけど。



 「聞いてみるしかないのかな。早く起きてく…「おい、うるせぇぞ」」




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