男装王子!
小さな微笑を浮かべながらそう言うと、途端にざわめきだす教室内。
何を言われてるのかはよく分からんが、悪口ではないことを祈って指定された席につく。
うっは、窓側の最後列って最高すぎじゃんか!
山本、さっきは男か疑って悪かったよ!お前さんは立派な男だわ!
そうして、数学の授業が始まった時には、隣の男子が教科書を見せてくれた。
そんなに密着しなくても・・・と思うほど近い距離に、少し姿勢を正すフリをしてその男子から離れる。
やっと最後まで乗り切った後には、大きく背伸びをして溜め息を吐いたのだった。