噂の速水くん
最近、私のクラスというよりは学年全体である人の噂を聞く。
名前は確か「速水くん」。下の名前は知らない、皆が速水くんとしか呼ばないからだ。
「あっ!速水くんがいる!」
「え?マジ!うわぁ〜、やっぱり顔が良い!!」
「あれで性格も良くて、頭も良くて、運動神経抜群で!うちのクラスの男子が霞んで見えるわ〜。」
窓の外を眺めて速水くんのことを話す女子達。彼女たちの会話の中で出てきた「顔が良い、性格が良い、頭が良い、運動神経抜群。」これが私の中での速水くんの僅かな情報である。
正直なところ、あまり興味がないので窓辺に行って速水くんの顔を見てみようと思ったことはない。というか、人が溢れるグラウンドを見たところで速水くんを見つけられる自信がない。
「春香ちゃん。次の授業、移動だよ。」
「あっ!そうだった!急いで準備するね。」
友達の由美ちゃんに呼ばれて我に帰る。「地学の先生、怖いから次の授業嫌だな〜。」なんて思いながら、準備をして急いで由美ちゃんの元へ駆け寄る。
「待たせてごめんね、由美ちゃん。行こうか!」
「まだ時間もあるし、大丈夫だよ。」
そうやって可愛らしく微笑む由美ちゃんの笑顔に思わず見とれながら、歩き出す。他愛もない話をしている途中に私は思う。
由美ちゃんって、速水くんのこと知ってるのかな。興味ないとは言ったけれど、あんなに噂されてる人がどんな人なのか気になってきた。言ってることがすごく矛盾しているのは気にしないでおこう。
あ、地学の教室に着いてしまった。しかも授業が始まっちゃう。しょうがない、気になるけれど後で聞いてみよう。今は授業に集中、集中……!
名前は確か「速水くん」。下の名前は知らない、皆が速水くんとしか呼ばないからだ。
「あっ!速水くんがいる!」
「え?マジ!うわぁ〜、やっぱり顔が良い!!」
「あれで性格も良くて、頭も良くて、運動神経抜群で!うちのクラスの男子が霞んで見えるわ〜。」
窓の外を眺めて速水くんのことを話す女子達。彼女たちの会話の中で出てきた「顔が良い、性格が良い、頭が良い、運動神経抜群。」これが私の中での速水くんの僅かな情報である。
正直なところ、あまり興味がないので窓辺に行って速水くんの顔を見てみようと思ったことはない。というか、人が溢れるグラウンドを見たところで速水くんを見つけられる自信がない。
「春香ちゃん。次の授業、移動だよ。」
「あっ!そうだった!急いで準備するね。」
友達の由美ちゃんに呼ばれて我に帰る。「地学の先生、怖いから次の授業嫌だな〜。」なんて思いながら、準備をして急いで由美ちゃんの元へ駆け寄る。
「待たせてごめんね、由美ちゃん。行こうか!」
「まだ時間もあるし、大丈夫だよ。」
そうやって可愛らしく微笑む由美ちゃんの笑顔に思わず見とれながら、歩き出す。他愛もない話をしている途中に私は思う。
由美ちゃんって、速水くんのこと知ってるのかな。興味ないとは言ったけれど、あんなに噂されてる人がどんな人なのか気になってきた。言ってることがすごく矛盾しているのは気にしないでおこう。
あ、地学の教室に着いてしまった。しかも授業が始まっちゃう。しょうがない、気になるけれど後で聞いてみよう。今は授業に集中、集中……!