血の色ゲーム
高2専用トイレに行くには、廊下を通る。

「あんなこと話した後だけど...やっぱり池気になるなぁ」

少し校庭側により、校庭を見下ろす。

そこで私は、あり得ないものを見てしまう。









―――血の池。

それは赤く染まっていて。

ビックリして、出るはずだった尿も止まってしまう。

空を見上げると、影響なのか赤と黒とが禍々しく渦巻いていて。

気がつくと2年の教室にいた。

誰もいない、音も微酔もしない不気味な教室。

キョロキョロ見回していると、私の席にぽつんと一枚の紙がおいてあった。

『あなたの名前は??』

近寄って見ると、そう書いてあるのが見える。

下に空白があるので、そこに書けばいいということか。


名前:勇崎 美彩


そこにおいてあるペンで書く。

するとそれは紙に溶け込むように、すうっと消えた。

悪寒がした。

後ろから撫でられるような感覚だ。









『美彩 様 ですね』

『転校して 覚えた 名前を 5人 書いてください』












浮かんでは消え、浮かんでは消え。

謎の紙にメッセージは綴られていく。

それより転校してきたことを知っている。










名前:

名前:

名前:

名前:

名前:












まず覚えたのは、最初席が近かった谷澤心愛と真愛。

そしてクラスのうるさい問題児と呼ばれる、波川亮介くん。

テストで100点常連、久留米修くん。

クラスの中心的ムードメーカー、雷明千春くん。

他にもぼちぼち覚えようとしているが、その5人でいいだろう。









名前:谷澤心愛

名前:谷澤真愛

名前:波川亮介

名前:久留米修

名前:雷明千春









『エントリー 完了』

エントリー?
何のエントリーだろう。

私と心愛に真愛、波川くんに久留米くん。
それに、雷明くん。

全部で6人。

――『全部で6人参加者がいるらしいよ。』

血の色ゲームとおなじだ...!!

あんな話を聞いた後だからか、本当にそうなのかと疑ってしまう。

「...ってか、次理科じゃん!!」

ヤバい。

教室にいたとき、授業が始まる7分前。

対して私は、10分ほど時間を使ってしまったように思える。

武藤先生は厳しいし、子供嫌い。

それにでかい。

急いで教室を出ると、そこはまた教室だった。

だが先程までの禍禍しい雰囲気ではなく、いつも通りの教室。

先程までのは夢だったのではないかと疑ってしまうのだ。

「あ、美彩遅いよ!!まだあと6分あるから頑張ろう!」

6分...?
私の感覚では10分経った、と考えている。

けれど真面目な真愛はなかなか嘘をつかない。







私は見ていなかったのだ。

先程の異空間に置いてあった紙に、最後に書かれていた言葉。















『血の色ゲームに ようこそ―――...』
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