僕等の、赤。
 待つこと20分。両手にビニール袋を持った拓海が戻ってきた。

 蒼ちゃんのお墓に缶ビールを供えると、3人同時にプルタブを引いて、

「かんぱーい」

 缶ビールをぶつけ合う。

 そして一心不乱に飲酒。美味い。4人そろって飲む酒は、なんて美味しいのだろう。

 久々に味わう4人だけの楽しい時間に浸っていると、

「うわー。凄い」

 マルオが遠くの空を見上げた。

「綺麗だなー。やばい」

 拓海も顔を上げる。

「ほんとだ。真っ赤」

 鮮やかな夕焼けが俺らを照らしていた。

「蒼ちゃんのお出ましですかね」

 拓海が笑う。

「派手な登場」「蒼ちゃんらしいわ」

 マルオと俺もつられて笑った。
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