夜の音-元ヤクザとJKのアブない同居生活-
公園に着いて、涙に濡れた目元を洗うためトイレへ向かった。

「わぁ、目こすっちゃったから腫れそう…………え……?」

鏡に写る目元に触れた左手を凝視する。

薬指には繊細な彫りの入った銀の指輪があった。

キラリと一粒の透明な石が光っている。

「悠……?」

私は自分でアクセサリーを買わないし、着けた覚えもないし……悠が寝てる間に??

考え事でいっぱいいっぱいで、気づかなかったクリスマスプレゼント……。

「からかってない印」と言った悠の声が蘇ってきた。

「本気なの……?」

私も伝えていいのかな?

悠の想いに応えていいのかな?

「謝らなきゃ……あ」

電話を掛けようとしたが、スマホは家に置いてきてしまっていた。

「うぅ……」

すぐにでも話がしたかったのに。

急いで帰ろう。
< 24 / 26 >

この作品をシェア

pagetop