夜の音-元ヤクザとJKのアブない同居生活-
駆け足でトイレから外へ出た途端、誰かに腕を掴まれ引かれる。

嫌な予感が過ぎった。

まさか……

「那月」

聞き慣れた声に振り向くと、愛おしい顔がそこにあった。

「悠……ほんとに悠??」

「じゃなかったら誰だよ?ほら、荷物。何かあったときに連絡できなかったらどうする?最低限スマホと財布は持っていけ」

「あ……うん。ありがと」

「考え事、済んだなら帰るぞ」

歩き出そうとする悠に疑問を覚える。

「なんで……場所分かったの?」

悠はトイレの出口で待ち伏せてた。

それに、私の考え事が解決するのも知ってたみたいな口振り。

「………………内緒」

「……教えてくれなきゃ帰らないよ?」

「教えたら今度こそ那月に嫌われる自覚がある」

「何したの……」
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