夜の音-元ヤクザとJKのアブない同居生活-
これからも変哲のない日常が続いていく。

だから、大丈夫……。

そう思いながらも、昨年と同じ日付が近づくほどに胸騒ぎや不安が募る。

「はぁ……だめだなぁ」

こんなんじゃ、また悠に心配かけちゃう。

しっかりしなきゃ。

それに明日は、クリスマスイブで悠とお出掛けだ。

夜は豪華な食事とクリスマスケーキを用意して家で過ごす。

気分を落ち込ませてる場合じゃない。

「……楽しみだなぁ」

生きてきて初めての大切な人と過ごすクリスマス。

カレンダーから目を逸らして、着替えを進めた。

ルームウェアを着て、肩に着く長さの髪を結う。

「よしっ……」

気を引き締めて、部屋を出た。

「今日の夕飯は〜豆乳鍋〜♪」

歌いながらキッチンに入ってエプロンを着ける。

「さてと〜?」

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