夜の音-元ヤクザとJKのアブない同居生活-
「那月??」

キッチンから出て、悠の背を押す。

「はーやーくー!食事は私に任せて、お風呂でゆっくりしてきて!」

「はいはい、分かったから押すなって……」

廊下と脱衣所を隔てるドアが閉まるのを見届けて、ため息をついた。

「…………」

私だって楽しみだよ。

気恥ずかしくて言えなかったけど。

「あ!」

そういえばシャンプーがなくなりかけてたから悠に伝えないと。

深く考えるよりも先に体が動く。

脱衣所のドアを勢いよく開けた。

「はる……っ」

目の前に現れた鮮やかな龍に鋭く睨まれた。

すぐに、鍛えられた悠の背中にある入墨だと脳が理解すると同時に、すごく久しぶりに見たけどやっぱり格好良い……と素直な感想が浮かんできた。

次に、上半身裸だということを理解して、私を見下ろした悠と目が合い焦る。

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