好きになっては‥‥いけない人
芹那···
「大輝!」
俺を見つけて、手をふりながら
嬉しそな顔をする芹那。
それを見ないふりをして
「待ったか?」
「ううん、今着いたとこ。
どこに連れて行ってくれるの?」
と、嬉しそうに訪ねてくる芹那に
俺は、無言で歩き始める。
「えっ、大輝、待って!」
と、俺の手をとろうとするから
俺は、ボケットに手を入れて
真っ直ぐ 駅前の公園へと歩く。
公園に着くと多くのカップルがいる・・
俺は、少し大きな樹木の影に
ベンチがあるのを知っていたから
そこに腰かけた。
そのベンチは、近くに行かないと
見えないため誰もいなかった
「こんな所があったんだね。
知らなかった。」
と、回りをキョロキョロする芹那。
本当のカップルなら可愛いと
思うかもしれないが·····
俺は、
「芹那。別れてほしい。」
「‥‥‥えっ‥‥なぜ?·····」
「好きな人ができた。
そいつと共に生きて行きたい
と、思ってる。」
「‥‥‥うそっ!!嘘よね。
だって、私達·····今まで······
上手く·····行っていたでしょ·····?····
嫌よっ!絶対に·····嫌!!」
泣きながら叫ぶ芹那に
「すまない。
俺は・・芹那の事を好きかと
きかれたら嫌いではない
と、答えられるが
愛してるかと聞かれたら、
愛しているとは···言えない
だが、こんな俺に
芹那は、つくしてくれていた
だけど、あいつに出会って
あいつの事が堪らなく好きで
大切にしたいんだ。」
と、頭を下げる。
「・・イヤヨッ‥イャッ‥‥」
と頭をふり続ける芹那に
「‥‥すまない。
あいつが愛しくてたまらないんだ
愛してしまったんだ。」
と、言う大輝に
芹那は、涙が止まらない・・・
だけど・・だけど・・
もう・・無理だと‥‥‥わかった‥‥
こんな大輝をみたことがない
愛してる·····なんて······
私も·······言われて······
‥‥みた‥‥かった‥‥
涙を拭きながら
「‥‥‥‥わか‥った‥‥」
と、言う芹那に
「すまない。
マンションを今週末に
引っ越すつもりだ。
だから、うちにある芹那の物
必要だろ?まとめて置く。」
と、言った。
そんな·····ことまで·····
考えて·····あげて·····るんだ······
‥‥‥‥うらやま‥しい‥‥
大輝は、私のマンションには
数回しか来たことないから
私の部屋には大輝の物は
ほとんどない。
「送る」と、言ってくれた大輝に
「やめて」と、言って
一人で歩いて駅に向かった。
回りのカップルがキラキラと
光ってみえた。
大輝からのLINEが来た時は
もしかして····なんて·········
はしゃいでいた····自分が·····
·······滑稽···すぎる·······。
どうやって、マンションまで
帰ったのか・・
玄関に入り、座り込んだまま
大声で泣いていた。