好きになっては‥‥いけない人

稜·····

今まで通ってくれていたが
そんな花ちゃんが、
はじめて男性を連れてきた。

その男性・・秋葉さん‥‥

彼は、あれから
時々、一人できてくれた

そんな彼が・・・

近頃、悲しそうな顔をしている


そんなとき
愛子から個室を空けといて
と、連絡があった。

入ってきたのは、愛子と花ちゃん?
あんな可愛く笑う花ちゃんなのに
顔の表情は無く
眠れていないのか
目は窪み、隈ができている

愛子と二人で話しを聞いた。

泣きながら、必死に話す
花ちゃんに、たまらない気持ちに
なる。

あっ、彼の表情はこれか?
と、私は思った。

話しながら、花ちゃんは
泣き疲れて眠ってしまい。

今日は、このまま
ここで、一緒に眠れば良いと
思っていたが・・・

ちょうど彼が店に来た。

私は愛子に彼を紹介して
彼とも話した。

本当に、バカがつくほど
人の良い花ちゃん。

彼は、寝ている花ちゃんを
抱き上げて、私の家に運んだ。

抱き上げたときも
花ちゃんにほほずりをしながら
花ちゃんのおでこや鼻の頭
瞼にキスをし
涙を唇で吸いあげていた

部屋のベッドに花ちゃんを
寝かせてからも花ちゃんの前髪を
触ったり、手を握ったりしていた。
彼が、花ちゃんを愛して止まないのは
私にも愛子にも充分わかった。

なんとかならないのかと
おもうのだが・・
花ちゃんのお姉ちゃんの事を
考えると・・動きが取れなかった。

彼は、
「花を宜しくお願い致します。」
と、言って
自分の名刺を愛子と私に渡して
「何でも連絡してください。」
と、言って帰って行った。

私も愛子も
やるせない思いで花ちゃんの
寝顔をみていた。

愛子は、花ちゃんの
お母さんに電話をして
「このままだと花ちゃんは
壊れてしまいます
だから、家から出します」
と、お母さんにいった。

そして、
「あなたのお子さんは
花ちゃんのお姉さんだけじゃない
でしょ?
娘さんがこんなに苦しんでいるのに
見て見ぬふりをしているあなたを
私は、同じ母親として
どうかと思います。」
と、泣きながら話す愛子。

花ちゃんのお母さんは
何度も謝りながら
「花を・・花の事を
宜しくお願い致します。」
と、言って電話を切った。

私は、愛子と二人で泣いた。
少しすると愛子は、
花ちゃんの家へと
花ちゃんの荷物を取りに行った。


愛子は、結婚して
自衛隊に勤務する
旦那さんと可愛い子供達がいる

私は、一年前に旦那を亡くして
一人でこの四季を経営している
旦那と一緒に開いた店で
大事にしている。

一人娘は、短大をでて
地元を離れて仕事をしている。
だから、部屋はたくさん余っている。
お店には、二人従業員がいるが
二人とも通いだ。

四季は、森林と湖に囲まれている
私と旦那は、この場所が気に入って
店と家を建た。


地元に帰ってきて良かった。
ここは、大切な親友の愛子がいて
心穏やかになる

人の良い愛子
部下思いで
そんな愛子が私の自慢だ。

まぁ、本人に告げることはないが・・・

さぁ、私も寝ようか・・

花ちゃんが
一日も早く元気になるように
そして、秋葉君と
幸せになるように
願いながら眠りについた。
< 35 / 56 >

この作品をシェア

pagetop