好きになっては‥‥いけない人
小百合······
意識を戻した芹那は
記憶の一部が抜けていた。
それは、大輝君についてだけ・・
私と花と大輝君で場所を移動したが
誰も、言葉が出なかった
すると、花が
「大輝さんは、姉の彼氏さんだったんですね
それなら、姉をお願いします。」
と、言った。
私が、
「何を言っているの?」
と、言うと
「お母さんだって・・・・」
と、言われた
言い当てられたから‥なのか
花だけに辛い思いさせているのに
何もできない自分に嫌気がさしたのか
花の頬を·····
娘の頬を·····
はじめて叩いた。
花は、私を見つめながら
その場から走り去った。
花の後を追えなかった
私のかわりに追って行った・・
大輝君が・・・
病室に戻ってきたとき・・
彼の顔は、悲痛感に溢れ・・‥‥‥
「俺が、芹那を支えて行きます。」
と、言って
その日、病院を後にした。
芹那は、検査の結果
異常なく三日後に退院して
次の日から仕事にも
復帰する事になった。
右手が、まだ固定をされているので
送迎は大輝君がしてくれた。
透は、芹那の事故の時
救出した大輝君が芹那の彼だと
聞いて、凄く喜んだ。
なにかにつけて
大輝君を呼び出して
夕飯を一緒に食べたり
一緒に飲んだり
そんな日々の中
段々と顔色も無くなり
表情も無くなっていく
花に、私は何もできずにいた
それに・・
あの病院の日から
私は、花にどう接して良いのか
わからずに、途方にくれていた・・
どうしたら、よいのか
どうすべきなのか
わからなくなっていた・・・
そんな日々の夜
花の勤める保育園の主任である
矢野先生より電話がかかってきた
「あなたの娘さんは、花ちゃんの
お姉さんだけですか?
自分の娘が辛い思いをしながら
苦しんでいるのを
見て見ぬふりをしているあなたを
同じ母親として
私はどうかと思います。
このままだと、花ちゃんは、
壊れてしまいますから
あなた方家族から
花ちゃんを離します。
花ちゃんの荷物を引き取りに
伺いますので用意してください。
細かい物は、こちらで購入します。」
と、言われた。
本当に・・・私は・・
ダメな・・母親だ・・
花と大輝君にだけ
辛い思いをさせて
犠牲にして・・