好きになっては‥‥いけない人

大輝····


くそっ!!

花の名字は······綾瀬だった·····のに

どうして······
 確認····
  しなかった·······

どうして······と、苛立つ·······



だが······

芹那を追って行き······

見たものは·······

  ・・・事‥故・・・・

車は、斜めに倒れ
前方は、グシャリと曲がり
車の中には、頭から血を流す・・・
芹那‥‥‥

慌てて芹那を車からだし
救急車や警察に連絡する。

病院につき、手術室の前のベンチに
座る‥と‥‥手が‥ガタガタ‥と
ふるえて‥‥い‥た‥

そんなとき‥‥
パタパタと足音‥‥
君は?と聞かれ
顔をあげると
花のお父さん?
花のお母さん······と·····花·······

花の目は······

悲しんでいるような······
苦しんでいるような······
さまよってるような·······

俺は、たえきらず······
思わず·······花から········
目を反らした······

その時·······
花の気持ちを·······
······考える余裕も·······なく‥‥‥

後に·····花に······
電話しても
ラインしても
繋がることもなかった‥‥

日にちだけ·······が·····過ぎていく‥‥‥

行ける日は、なるべく
芹那の病院に通った。

今日も仕事帰りに
病院に寄ると
芹那がベッドに座っていた。

ああっ、意識が戻ったんだ
良かった‥‥話せる‥‥
と、思っていたのに・・・

記憶が・・ない・・と・・
・・・それも・・俺との‥‥
‥‥経緯だけ‥‥‥

俺と花と花のお母さん・・・
三人で外へ出たが・・
重たい空気だけがながれる

そんな中・・
花が口火をきる・・

花が発した言葉に
花の母親が花を叩いた

立ち去る花を
俺は、追った‥‥‥

そこで俺は、
自分の気持を正直に伝えた

だが・・花は・・

俺に芹那を頼むと言った

俺は······
俺は········
自分がやるせなかった‥‥


俺は、花と二人ではじめて行った
四季に、一人でたまに通っている。

その日も‥‥
すると‥‥
稜さんと女性がいて‥‥

稜さんから連れていかれた先に・・
‥‥‥花が‥‥寝ていた‥‥


俺は‥‥
寝ている花を抱きしめ
花のおでこに鼻に
瞼に、花の目の端にたまる涙に
唇を寄せた
こんなに痩せて·····
こんなに隈をつくって·······

こんなに辛いなら·····
なぜ······俺を·······切った?
もぅ······俺に気持ちは······ないのか?
なぁ、花?

俺は、花から離れがたかったけど
今は、稜さんと矢野先生に
頼むしかなく
俺は、四季を後にした。
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