好きになっては‥‥いけない人

小百合・・透・・

透は、
「なぜ?花が人の家に行くんだ?」
「本当に、なぜ?
もしかして・・・
私が帰ってきたから?」
と、芹那。
「なに?なんで、芹那は
そう思うんだ?」
と、透は訝しげに小百合をみた。


小百合は、どう答えるか
考えた。

「芹那は、なぜ、そう思うの?」
と、小百合は芹那に尋ねた。
「‥‥だって、私が帰ってきたから
日に日に・・花は・・
元気が無くなっていったから。」
と、芹那。
それを聞いて透は、
「そうか?そんなことないだろう?」
呑気に言う透に小百合は
腹が立ち、あたってしまった

「あなたは・・あなたは、
花の何をみてるの?
あなたも花を苦しめているのよ!」
「えっ、俺が?
小百合は、いったいなにを?」
「ええ、私もよ。
私達は、あの子の親失格なのよ!!」
と、涙を流しながら話す小百合。

こんな小百合を見たことがない透は
唖然としてしまい口を開くことが
できなかった。

芹那は、自分の両親は
すごく仲が良くて
喧嘩をしているとこなんか
見たことがないから・・
唖然としていた。

家族仲の良かった·····綾瀬家······
なのに······
花が居なくなった日から
小百合は、黙々と家事をこなすだけ
笑い声も·····話し声も······
なくなった。

大輝も綾瀬家の雰囲気が
おかしいのに
気づいていたが
何も語ることはしなかった。

明日は芹那の右手の固定が外れる。

芹那は、母親の小百合さんと
病院に行くことになっていた。
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