好きになっては‥‥いけない人

すると·····

さくっ、さくっと歩く足音が・・
姉が来たのだろうと
振り向くと・・



‥‥‥はる‥‥き‥‥‥‥さ‥‥ん‥?‥

私は、その場が離れようと
一歩後ろに下がると
大輝さんは‥‥逃がさないと
言わんばかりに・・
言葉を投げ掛ける

「‥‥めいっ、元気にしてたか?」
「‥あっ‥うん、大輝さんは?」
「俺は‥‥まぁ、まぁ、かな」
「くすっ」
「なに?」
「だって、まぁまぁかな?って
どんなのかな?って」
「それは‥‥」
「それは?」
「それは・・心をとざなさいと
やっては‥‥行けなくて‥‥‥
   ‥‥苦しかった‥‥‥‥から‥‥」
と、話す大輝さんに
私の頬に涙が流れた

やはり‥‥この人が‥‥
      ‥‥‥‥好き‥‥

泣き続ける私に‥‥

「泣くくらいなら‥‥‥‥
  ‥‥‥俺を手離すなよ。」
と、言いながら
私を抱き締める大輝さん

「‥‥‥ごっ‥ごめん‥ね‥」
と、言うと
大輝さんは、私から身体を離して
私の涙を親指のはらで
そっと拭いてくれながら
「目の下の隈も少し良くなったな」
と、言うから
「‥‥‥なぜ‥‥‥?‥‥‥」
と、きく私に
「あの日、たまたま四季に
寄った俺に稜さんが
こっちにきて、と連れていかれた部屋に
花が寝ていた
痩せてしまい、目の下の隈もすごくて
辛いなら、なぜ、俺を手離したんだ
もぅ、花にとって俺は
必要ないのか?と、たまらなかった。」

ああっ、あの時
浮遊感があった
稜さん達が運んでくれたのかと
思っていた‥‥けど‥‥
大輝さんだったんだ

「‥本当に‥ごめんね‥
自分が言い出したのに
二人をみるのが、あまりにも
辛くて逃げ出してしまった。
もぅ、限界だったの」
と、言う私を再び大輝さんは
抱き締めながら
「もぅ、二度と離さない。
もぅ、花の頼みは、きかないからな
俺には、花だけだ
花を愛してる。」
「うん。うん。私も大輝さんが好き
大輝さんが私以外の人を抱き締めたり
するのは嫌なの」
「あれを、見たのか?」
「‥‥‥‥う‥‥ん‥」
「あれは、芹那がふらついたから
支えただけだ。
あの日、以外ない。」
「‥‥ううん。私がお姉ちゃんの
そばにいて支えて欲しいと
お願いした‥‥のに‥‥」
「もう絶対ないから。
俺には、花しかいない。」
と、顎を持ち上げられて
キスをする

大輝さんの優しいキス
何度も、何度も、角度を変えながら
いつまでもキスを‥‥
あっ、お姉ちゃん?
と、思い動く私に
「‥‥‥花‥?」
と、大輝さん
「お姉ちゃんは?」
「芹那は、透さんがマンションに
送って行った。」
「えっ、お父さんが?」
「ああ、透さんも全て知っている
まずは、芹那が花ときちんと
話してから、俺が話すと
芹那がセッティングした。」
「‥‥うそっ‥」
「本当だ。
俺の花への気持ちもきちんと話をした。
透さんも小百合さんも
花が幸せならと、言ってくれた。
それで、花はどうなんだ?
俺と一緒でいいのか?」
「‥‥一緒にいたい‥‥
‥‥ずっと‥‥ずっと‥‥」
「‥ああっ‥‥良かった・・
 正直、駄目かと思った·····
  だが、花、幸せになろうな。」
「‥‥うん‥‥」
「泣き虫、花。
一人で、いろんな事、我慢して。」
「‥‥だって‥‥」
「もう、本当にないからな。」
「‥うん。大輝っ‥愛してる」
「‥‥なっ、いま‥‥?‥
      覚えておけよ。」
と、言う大輝が堪らなく
愛しくて大輝の首に抱きつくと
大輝は、私を力強く抱き締めながら
二人で笑った。
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