好きになっては‥‥いけない人
D☆☆これから
翌日の夕方
大輝が稜さんのお店まで
迎えに来てくれた。
昨夜、稜さんのお店から
帰宅した大輝から
『マンションについたよ。』
と、LINEが来て
その時に
『明日は、迎えに行くから
稜さんのお店で待っていて。』
と、あった。
緊張しながら
実家に帰りつくと
お母さんが抱き締めてくれて
沢山謝られた。
お父さんからも
「花、何にも知らなくて
ごめんな。
辛い思いをさせてしまった。」
と、言われて
「ごめんなさい。
何も言わずに家を出てしまって。」
「いいんだ。
花が元気になってくれる方が
大事だからな。」
「ありがとう、お父さん。
そして、お母さん
沢山心配かけてごめんなさい。」
と、言うと
お母さんは、涙を流しがら
首をふっていた。
三人が少し、落ち着くと
大輝が
「落ち着いた所を申し訳ありません。
透さん、小百合さん
改めて
私に花さんを下さい。
必ず幸せにします。」
と、頭を下げた。
私もびっくりしたが
お父さんもお母さんも
びっくりしていた。
「もう少し、お父さん達のそばに
いたいと花さんも思っていると
思いますが、今回の事で
もう、二度と離れたくない
と、思いました。
ご無理は、重々にわかっていますが
宜しくお願い致します。」
と、言う大輝に
私も、二度と離れたくない
と、思っていたから
大輝の気持ちが嬉しかった。
すると、父も母も
「結婚を許可しよう。」と、父
「どうぞ、花を幸せにして下さい。」
と、母。
「ありがとうございます。」
「お父さん、お母さん
ありがとうございます。」
と、大輝と花が言うと
「ただ、一つ、お願いがある。」
と、父。
「はい、なんでしょう?」
と、大輝が言う
私とお母さんも、何かなと
思っていると
「しばらく、一緒に
暮らしてくれないか?」
と、言った父に
「あなた?」
と、お母さん。
私と大輝は、顔を見合わせながら
お互い、頷くと
大輝が
「はい。宜しくお願いします。」
と、言った。
すると、お父さんは、
凄く嬉しそうに
若干あきれ気味の
お母さんを抱き締めながら
喜んでいた。
その後、四人で話をする
暫くは実家に一緒に暮らして
実家と稜さんの家の間に
我が家の土地があるみたいで
そこに二人の新居を建てる事になった。
お父さんと大輝は、
二人で楽しそうに
新築の話をしている。
お母さんと私は
二人のそんな様子をみながら
夕飯の準備をした
「あっ、花、大輝さんのご両親には
挨拶しているの?」
と、お母さんにきかれて
「えっ、本当だ、全然。
お会いしたこともない。」
と、言うと
「早く、ご挨拶にいかなきゃ。」
と、叫ぶ、お母さんをおいて
大輝の元に行き
「大輝!!」
「めい、どうした?」
「大輝のご両親に
ご挨拶していないよ、私。」
「ああ、大丈夫だよ。
話は、昨日したから
今日、彼女のご両親に
結婚の許可をもらいに行くと。」
「うそっ、私、聞いてない‥‥」
「めいに話すと
また、何か考え込むから
その前に、お義父さん、お義母さんの
許可をもらいたかったんだ。」
と、言う大輝に
お父さん、お母さんは、笑いながら
「「大輝君、よくわかってるわ」」
だって
私だけが、真っ赤になっていると
「ごめんな、一人で決めて。
今週の土曜日に俺の実家に
一緒に行ってくれるか?
それと、花に話してなかったけど
俺の父親は他界してるんだ
だから、母さんだけだ。」
「えっ、何にも知らなかった
ごめんね・・
えっと、お義母様に
是非ご挨拶させて下さい。」
と、言うと
「花、ありがとう。」
と、大輝に頭をポンポンとされ
「きちんと、お話していなくて
すみません。
父は、俺が小さい時に
事故で亡くなりました。
ですから、母が一人で、
俺を育てくれました。
ちなみに母は、小学校の
教師をしています。」
と、父と母にも説明をすると
「そうだったんだね
花を気に入って頂けるといいが。
親バカと言われるかもしれないが
めいは、気持ちの優しい子で
とても頑張りやなんだ。
時々、一人で頑張り過ぎる所はあるが
それはご愛嬌だと私は思っているんだよ。
花、大輝君のお母さんと
きちんと話しておいで。」
と、言う父に
涙が溢れた。
そんな私を大輝は、愛しそうに
抱き締めてくれて
「母は、花に会えるのを
すごく楽しみにしているよ。」
と、言ってくれた。
「めい、お土産持っていくの
忘れないでね。」
と、言う母に皆で笑った。
まるで、あの何ヵ月がなかったみたいに
穏やかで、幸せを感じていた。
大輝は、お父さんに付き合って
お酒を飲んだので
今日は、家に泊まることにした。
私も、こっちに泊まると
稜さんに連絡した。
はじめて大輝が
私の部屋に入り
私のシングルベッドに寝る
「ごめんね、大輝には狭いね。
下にお布団引こうか?」
と、言うと
「嫌、このままがいい。」
と、私をギュッと
抱き締める
久しぶりの大輝の腕の中で
私は、安心して眠ってしまった。
「やっぱり、
布団引いてもらえば良かった。」
と、一人モンモンとする
大輝の独り言は耳に届かなかった。