好きになっては‥‥いけない人
目が覚めると横に大輝の姿はなかった
だが、身体の気だるさに‥‥‥
顔が、にやけてしまう
あ~、本当に‥‥
大輝の側に戻ってきたんだ
そう考えながら
ベッドの上を
ゴロゴロしていると
「すごく、良い眺めなんだけど
朝から、食べちゃっても良い?」
と、言われて
へぇっと、自分をみると
裸で‥‥‥ベッドの上を
ゴロゴロしていたみたい・・
「きゃーっ!!」
と、慌てて布団を被ると
「きゃーってな?めいっ。」
「‥‥だって‥‥
恥ずかしかったん‥‥だもん。」
「めいっ、出てきて。」
と、言われて
そっと顔を出すと
チュッとキスをされて
「おはよう、めい。
身体きつくないか?」
「‥‥おはようっ、大輝。
たぶん・・大丈夫かな。」
と、言うと
「朝から煽られて
我慢するのが、大変だけど
式場に行かないと行けないから
我慢、うん、我慢する。」
と、言う大輝に
「うふふっ、はい。」
と、言って
大輝のワイシャツが
かけてあったので下着をつけて
ワイシャツを羽織って
リビングへ。
大輝が、私の姿をみて
絶句‥‥
「勘弁してよ。」
と、ささやきながら
私の所にずがずがやってきて
キスをなんどもして‥‥
「めいっ、覚えておけよ。」
と、言うから
「私は、何もしてないもん。」
と、言うと
「可愛すぎる罰。」
だと、言われて
またまた、真っ赤になっていた。
それから、大輝の作った
朝食を食べて
大輝の知り合いがいる式場に向かった。
事前に連絡していたみたいで
話は、スムーズに進んだ。
式場の林田さんは、
大輝の大学の友人だ。
林田さんは、
大輝の学生の時の話を
教えてくれた。
大輝は、やはり女性に
冷たかったみたいで
こんな大輝は、レアだと
不思議がったり
驚いたり、笑ったり
と、楽しかった。
式場も綺麗で、スタッフの方も
良い人ばかりで
ドレスも着物も
次々に決まった。
もっと時間がかかるのかと
思っていたけど・・
林田さんの話しでは
大輝があらかた決めていたらしい。
招待状の発送準備もすんだ。
式は、三ヶ月後。
(たまたま、キャンセルがあり
おさえることができた。)
両家の顔会わせも
来週末に決まった。
私の両親も大輝の義母さんも
土日なら、いつでも大丈夫と
言ってくれていたので。
お父さんが、急に出張が入ったりするが
この時期は、大丈夫だろうと
言っていた
私達は、入籍を先にすることにした。
両親も大輝のお義母さんも
それで良いと言ってくれた。
今回の件で・・・
大輝の悲痛な思いを知って
両家とも大輝の思うように
進めたら、良いと言ってくれた。
私と大輝は、式までは
大輝のマンションで暮らし
その間に実家のリフォームを行う。
二階に今、三部屋あるのを
私達夫婦の部屋とお姉ちゃんの
部屋にする。
新しく建てるお家は、今模索中だ。
土地は、お父さんから大輝が
購入した。
家は、お父さんと大輝のお母さんが
負担するときかなくて
大輝がおりる形になった。
お姉ちゃんも帰ってきて
新しい部屋のレイアウトを
話したりしている。
本当に、穏やかだ。
姉に、大輝の事をきいてみた・・
「もう、なんともない。
記憶がないときも、指一本ふれないし
会話も殆んど無くて
私は、この人の本当に彼女なんだろうか
と、思っていたの。
それに、記憶戻ってから
思ったんだけど
私、付き合っているときも
大輝から一度も愛してる
なんて、言われた事ないんだよ。
頭にくるでしょ。
だから、ああ、大輝は、
私に本気じゃなかったんだと
わかったの。
そんな人をいつまでも
想っているほど暇じゃないから。」
と、笑いながら舌をだして
ベェっとした。
それだけではないと思うが
「そうなんだね。」
と、私が言うと
「めい、幸せになるんだよ。」
「・・お姉ちゃん‥‥
本当にありがとう。」
と、言うと
お姉ちゃんは、私を抱き締めてくれた。