好きになっては‥‥いけない人

園長室をでると
大輝に‥‥
「めいちゃん、聞いてないけど。」
「なっ、なにを?」
「お見合いの話し、あるんだ?」
「えっと、何回か聞かれたような。」
「ふぅん?」
「でっ、でも、大輝と付き合うように
なってからは、お断りしたよ。」
「当たり前だ。まったく隙もない。
花は、俺のだ。
良かった、早く俺のにして。」
と、本当にほっとした顔をするから
「クスッ、心配ないよ。
私には、大輝だけなんだから。」
と、言うと
ギュッと、抱き締めて
「続きは、あとで。」
と、耳元で囁くから
「なっ・・・」
話していると
「挨拶終わったの?」
と、矢野先生
「あっ、先生。」
「はい、終わりました。
お祝いの言葉も頂けると」
と、私と大輝
「良かったね。
で、何をもめてるの?」
「「えっ?ああっ。」」
「ははぁん?例の話しかな?」
と、矢野先生。
「「たぶん?・・はい・・」」
「そりゃ、先生方の知り合いから
父兄の知り合いまで
だったから、仕方ないわね。
園長先生も断るの大変だわ。
ねぇ、花先生。」
と、矢野先生は、ニヤニヤしながら
その場を立ち去ったが・・

隣から冷ややかな空気が
流れるのを無視して
先生方に挨拶して
冷やかされながら
園をでると
いきなり腕を捕まれて
抱き締められたから
「私には、大輝だけ。
大輝を愛してる。」
と、胸の中で言うと
ため息をつく・・大輝
「反則、先手うったな」
と、言われて
「だって・・ネェ・」
「わかってる。
花を愛していいのも
花を抱き締めていいのも
俺だけだから。
誰にも絶対に渡さない。」
「うん。だけど‥‥
はるきは、すごくかっこいいから
女の人から言い寄られるだろうけど
私を離さないでね。」
と、言うと
唇にチュッとされておでこをあわせると
「離すわけないだろ。
でも、俺達って、
バカップルみたいだよな。」
と、笑いあいながら
「さぁ、帰ろうか?」
と、二人別々の車に乗り込み
実家に向かった。
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