コール・ミー!!!
近すぎる!!!
…無自覚なの?!滝君。
…密着しすぎ!!!
「あ…」
彼は、瑠衣から決して目を逸らそうとしない。
……ヤバイ。
…ドキドキドキドキドキドキする。
嫌悪感は、無いけれど、
このままじゃ、顔が赤くなりそう。
…意識しちゃダメだ。
…意識しては…。
「解き直してみて」
…一体、何なんだろ、この動悸は!!
「はい…」
誰にでもこうなるわけ?!
…本当に、自分に腹が立つ。
この密着シチュエーションに、ただ弱いだけ?
男の子に免疫がなさ過ぎるだけ?
…こういう時、意識しないようにするには、どうすればいい?!
情け無い。
まるで訳がわからない。
自分の事なのに。
「…そっか、そうだね。これ、間違ってた」
瑠衣は計算し直して、自分の回答を書き直した。
他の3人もまた、彼と瑠衣のただならぬ雰囲気にドキドキし、赤くなりながらそれを見つめていた。
滝君の家からの帰り道。
戌井君、東條さん、漆戸さん、瑠衣の4人が駅の改札口前まで歩いている最中、東條さんはいきなり、小声で切り出した。
「あれは…滝君さ、絶対に佐伯さんの事が好き、だよね」
「…そうですよね。…絶対…」
「…え?滝君が、何?」
瑠衣は、先を歩いていたので2人の声が聞き取れず、もう一度聞き返してしまった。
「…」
戌井君だけは、少し赤くなりながら無言で歩いていた。
瑠衣が聞くと東條さんは、口元に笑みを浮かべて、こう言った。
「さっきの佐伯さんへの密着は、…わざとだったわ、完全に」
漆戸さんも、頷いた。
「私も、そう思いました」
……?!!!!
…滝君が?
戌井君は、この話題を無理矢理断ち切る様に、
「じゃ、また明日」
と言って、反対方向の電車のホームに向かってサッサと行ってしまった。
「今日はありがとう、戌井君!」
女子3人は彼の後ろ姿に向かって、聞こえる様にお礼を言った。
「明後日からテストだし、私達も今日の所は帰りますか。修学旅行の時にでも、ゆ〜〜っくりこの話しましょ!」
と、東條さん。
「そうですね。今日はお疲れ様でした!テスト頑張りましょうね」
と、漆戸さん。
「うん、また明日ね」
と、瑠衣。ちょっと、色々聞かれてしまいそうだったのでホッとした。
とりあえず、テスト頑張ろ。
瑠衣は気持ちを切り替えようと決めた。
テスト初日、トオヤは久しぶりに、10分程遅刻して学校に登校した。
…やっと会えた。
朝のホームルームが終わると、教室の中で6日振りに彼に声をかける事が出来た。
「久しぶり!トオヤ」
顔を見た途端、瑠衣は何だか急に、ホッとしてしまう。
彼の席の近くまで移動し、自分から話しかけた。
「瑠衣」
トオヤは瑠衣に気づいて、白い薔薇がゆっくりと花開く様に、微笑んだ。
「今朝、帰って来た。今日、家まで迎えに行けなくて、…ごめん」
瑠衣にだけ向けられている、トオヤの破壊力が半端ない、神々しい微笑み。
出会った時は変わらなかった表情が、こんなにも変わるなんて。
瑠衣の心臓が、急に音を立てた。
そんな自分に、ひどく慌ててしまう。
「そんなのいいよ、疲れてるのに悪いし。毎日迎えに来てもらう約束してたわけじゃ、無いんだから!」
「あの男、現れなかった?」
…まだ、心配してくれている。
まるで、彼の目には自分だけしか映っていないように、見えてしまう。
…気のせい、気のせい。
「大丈夫だったよ!ありがとう」
つい、周りを見回してしまう。
…結構、クラス中の注目を浴びている。
「じゃあ、明日から」
トオヤの声を近くで聞くだけで、今まで自分は、こんな風に落ち着かなくなっていただろうか。
「毎日迎えに行く」
彼の声は、こんなに綺麗な中低音で、耳の奥に響く声だったろうか。
「約束する」
…もう少しで吸い込まれてしまうような心地になり、キラキラし過ぎていて、眩しすぎて、直視出来ない。
「…約束はしなくていい。本当に悪いから!」
思いっきりトオヤに見とれてしまっていた瑠衣は、急に我に返った。
この気持ちとも、いずれはきちんと、向き合わなければならない。
まずは滝君への自分の気持ちだ。
でも本当にこんな難題、自分の中だけで、答えが出せるのだろうか。
誰かに相談したい。
…誰に、話そう。
…無自覚なの?!滝君。
…密着しすぎ!!!
「あ…」
彼は、瑠衣から決して目を逸らそうとしない。
……ヤバイ。
…ドキドキドキドキドキドキする。
嫌悪感は、無いけれど、
このままじゃ、顔が赤くなりそう。
…意識しちゃダメだ。
…意識しては…。
「解き直してみて」
…一体、何なんだろ、この動悸は!!
「はい…」
誰にでもこうなるわけ?!
…本当に、自分に腹が立つ。
この密着シチュエーションに、ただ弱いだけ?
男の子に免疫がなさ過ぎるだけ?
…こういう時、意識しないようにするには、どうすればいい?!
情け無い。
まるで訳がわからない。
自分の事なのに。
「…そっか、そうだね。これ、間違ってた」
瑠衣は計算し直して、自分の回答を書き直した。
他の3人もまた、彼と瑠衣のただならぬ雰囲気にドキドキし、赤くなりながらそれを見つめていた。
滝君の家からの帰り道。
戌井君、東條さん、漆戸さん、瑠衣の4人が駅の改札口前まで歩いている最中、東條さんはいきなり、小声で切り出した。
「あれは…滝君さ、絶対に佐伯さんの事が好き、だよね」
「…そうですよね。…絶対…」
「…え?滝君が、何?」
瑠衣は、先を歩いていたので2人の声が聞き取れず、もう一度聞き返してしまった。
「…」
戌井君だけは、少し赤くなりながら無言で歩いていた。
瑠衣が聞くと東條さんは、口元に笑みを浮かべて、こう言った。
「さっきの佐伯さんへの密着は、…わざとだったわ、完全に」
漆戸さんも、頷いた。
「私も、そう思いました」
……?!!!!
…滝君が?
戌井君は、この話題を無理矢理断ち切る様に、
「じゃ、また明日」
と言って、反対方向の電車のホームに向かってサッサと行ってしまった。
「今日はありがとう、戌井君!」
女子3人は彼の後ろ姿に向かって、聞こえる様にお礼を言った。
「明後日からテストだし、私達も今日の所は帰りますか。修学旅行の時にでも、ゆ〜〜っくりこの話しましょ!」
と、東條さん。
「そうですね。今日はお疲れ様でした!テスト頑張りましょうね」
と、漆戸さん。
「うん、また明日ね」
と、瑠衣。ちょっと、色々聞かれてしまいそうだったのでホッとした。
とりあえず、テスト頑張ろ。
瑠衣は気持ちを切り替えようと決めた。
テスト初日、トオヤは久しぶりに、10分程遅刻して学校に登校した。
…やっと会えた。
朝のホームルームが終わると、教室の中で6日振りに彼に声をかける事が出来た。
「久しぶり!トオヤ」
顔を見た途端、瑠衣は何だか急に、ホッとしてしまう。
彼の席の近くまで移動し、自分から話しかけた。
「瑠衣」
トオヤは瑠衣に気づいて、白い薔薇がゆっくりと花開く様に、微笑んだ。
「今朝、帰って来た。今日、家まで迎えに行けなくて、…ごめん」
瑠衣にだけ向けられている、トオヤの破壊力が半端ない、神々しい微笑み。
出会った時は変わらなかった表情が、こんなにも変わるなんて。
瑠衣の心臓が、急に音を立てた。
そんな自分に、ひどく慌ててしまう。
「そんなのいいよ、疲れてるのに悪いし。毎日迎えに来てもらう約束してたわけじゃ、無いんだから!」
「あの男、現れなかった?」
…まだ、心配してくれている。
まるで、彼の目には自分だけしか映っていないように、見えてしまう。
…気のせい、気のせい。
「大丈夫だったよ!ありがとう」
つい、周りを見回してしまう。
…結構、クラス中の注目を浴びている。
「じゃあ、明日から」
トオヤの声を近くで聞くだけで、今まで自分は、こんな風に落ち着かなくなっていただろうか。
「毎日迎えに行く」
彼の声は、こんなに綺麗な中低音で、耳の奥に響く声だったろうか。
「約束する」
…もう少しで吸い込まれてしまうような心地になり、キラキラし過ぎていて、眩しすぎて、直視出来ない。
「…約束はしなくていい。本当に悪いから!」
思いっきりトオヤに見とれてしまっていた瑠衣は、急に我に返った。
この気持ちとも、いずれはきちんと、向き合わなければならない。
まずは滝君への自分の気持ちだ。
でも本当にこんな難題、自分の中だけで、答えが出せるのだろうか。
誰かに相談したい。
…誰に、話そう。