コール・ミー!!!
瑠衣は白状した。











「トオヤがいない一週間」













瑠衣は、熱が篭った目で彼の瞳を見つめた。

















「会いたいという気持ちに支配されて、自分をコントロールできなかった」














左手の甲を瞼の上に当てて、瑠衣は自分の表情を隠した。


















「こんな風になったのは、生まれて初めて」















「…」





















「私が私じゃ無くなった」














瑠衣は、浅くため息をついた。













「今までの自分は、この感情を知らなかっただけ。それを、思い知らされた」




















トオヤ。




















「寂しいよ、トオヤがいないと」














あなたに、魔法をかけられた。

























生まれて初めての、恋の魔法。






















瑠衣は左手の下から、涙を流した。















「私は、これから一体どうすればいい…?」

























トオヤは、瑠衣の左手をそっと握り、
















「顔を見せて」












と言うと、














少しずつ、その手をずらしながら、


















「こっちを見て」













と、顔を近づけた。

















「俺も、一緒」





















彼は、間近で瑠衣に微笑みかけた。















「瑠衣がいないと、寂しくておかしくなる」


















彼は瑠衣の唇に、そっとキスを落とした。


















「いつも、ずっと一緒にいたい」

















もう一度、長い長いキス。















「うつるから…」



















瑠衣が言うと、彼は












「うつしたら治る」












と優しく言った。













「…」














彼は瑠衣の耳の横にある髪に触れ、












「瑠衣は」













ひんやりとした手で、彼はゆっくりと瑠衣の頬に触れた。









「人を恐れない」















彼は逆の手で、瑠衣の涙をそっと拭いた。















「話しかける事を恐れない」















彼は瑠衣の熱い首筋に指で触れた。
















「俺の魔法使いだから」






















そして、月の光のような笑顔を見せた。















「元気になったら、また魔法見せて」


















「…」















彼は、瑠衣だけを見ていた。


















「瑠衣が、瑠衣なら、それでいい」




















そして、瑠衣を優しく抱き締めた。















「瑠衣が、欲しい」














彼は、瑠衣を見つめてから目を閉じて、



















「瑠衣を愛してる」












と。また、
終わらないキスを、始めてしまった。





































再び、目が覚めた。




どのくらい、時間が経ったのだろう。
今は、何時くらいなのだろう。













頭と体が、とても軽くなっている。









熱が下がったのだ。







辺りを見回すと、どうやら昨日寝かせてもらっていたベッドの中だった。









ここは外国のホテルの様な室内。
中は広いが、ベッド以外は洗面台とテーブルセットだけで、あとは物がほとんど無い。






トオヤが同じ天蓋付きのベッドに入って、瑠衣に腕枕をしながら眠っている。






彼の寝顔を見るのは、何度目になるだろう。







急に、心臓が音を立てて鳴り出してしまう。









「触れてもいい…?トオヤ」










起きているかも知れないから、念の為に声をかけてみる。







…返事はない。









じゃあ、いいよね。









…寝てるみたいだし。









瑠衣は彼の唇に、そっとキスをした。











すると。












「…駄目」










彼は、ゆっくりと、瑠衣の体を抱き締めた。
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