あなたと出会うため【完】 番外編【完】
「な、なにしてるの？」

私は何が起きているのか理解できなかった。

「何しに来たんだよ！」

樹が冷たく言い放つ。

「体調悪くて仕事休んだって聞いたから………」

樹がベッドから出て、私の方へ歩いて来る。樹を見るとその後ろで笑っている女性が見える。

その女性を見て余計にどうして………と思ってしまう。彼女は私と同じ会社で働いていている人で、岩崎紗良(いわさき さら)ちゃんだ。

彼女は樹と私が付き合っているのを知っているのに………
ショックで動けなくなった私の腕を樹が掴み、玄関まで引っ張っていく。

「もうお前 ２度とここへは来るな！」

「えっ？なんで？」

「お前とは別れる。俺は紗良と付き合ってるんだ！邪魔するな！」

そう言って、私のカバンからキーケースを出し、樹の部屋の鍵を外し、樹に渡してあった私の部屋の鍵を私のカバンの中に入れて 私を部屋から追い出し、ドアを閉めて鍵をかけてしまった。

ショックすぎて、何も考えれず、どうやって帰ってきたのか記憶になく、気づいたら自分の部屋にいた。

私は一方的に別れを言われ振られてしまった。樹にとって、私達の２年ってなんだったんだろう。

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