あなたと出会うため【完】 番外編【完】
「うん。ちゃんと食べてるか一緒に食べて確認するからな。」

それから江本さんは本当に、毎日 仕事が終わってから部屋に来て一緒に夕飯を食べて帰って行った。

退院して10日ほどたった週末。麻衣さんと話をして、週明けから仕事復帰をする事になった。

2週間近く休んでいる間はイヤな事もなく心も穏やかに過ごせていた分、また冷たい視線を受けるのかと思うと、怖くて身体が震えてくる。

そんな時、フワッと江本さんが抱き締めてきた。 一瞬何が起きたのか解らなくて私は固まってしまった。

「和花………大丈夫だ。蓮さんも麻衣さんもいる。天馬さんも………もちろん俺もいる。辛い思いをさせるかもしれないけど、必ず守るから少しの間 我慢してくれな。」

そんな事言われても………まだ誰も信用できないから素直に頷く事も出来なくて、心も頭もぐちゃぐちゃになってて、落ち着きたくて江本さんから離れようとしてみるけど離してくれなくて………だけど………江本さんに抱き締められてるのが心地良くて……… 私………どうしたんだろう?

そんな事を考えてると、私の耳元で、

「………和花 好きだ。」

えっ?今………何て言ったの? いきなりすぎて反応できなかった。


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