あなたと出会うため【完】 番外編【完】
「和花 お疲れ。迎えにきた。」

江本さんが立っていて驚いた。

「えっ? 江本さん?」

「会社行くんだろ?俺も行くから!」

そう言って手を引き、江本さんの車に乗せられて会社に向かった。


「今までよく頑張ったな!」

江本さんは、そう言って私の頭を撫でる。撫でられた私は心がキュンとなって、何だか恥ずかしくなってしまって、赤くなっているであろう顔を見られない様に窓の外に向けた。

そんな私の様子にフッと笑った後、真面目な表情に戻って話をしてくれた。

「今まで和花にしてた嫌がらせも 樹と女の事も、今日で片がつくからな!」

「えっ?片って?」

「やっと証拠が揃ったんだ。本当はもっと早く集めたかったけどな!遅くなってごめんな。」

江本さんの言葉が嬉しくて、

「ありがとうございます。
まさか証拠が集まるとは思ってなかったから嬉しいです。」

「やっと………だな。あと少しの我慢だ。頑張ろうな。」

「はい。」

私は頷いた。

それから会社に着くまで会話はなかった。……………だけど、江本さんと2人きりの空間………居心地いいな………


しばらく車を走らせて会社に到着する。
私は目をつむり1度大きく深呼吸をし覚悟を決め、車を出て事務所に向かった。
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