あなたと出会うため【完】 番外編【完】

でも、そんなことで仕事を休む訳にはいかないのが社会人の辛いところだ………

私の朝は早い。だいたい朝は４時に起きて準備する。５時３０分頃出社して、その日の行き先を確認して６時には会社を出て現場に向かう。
現場の状況で時間はまちまちだけど、基本はこんな感じで働いている。

今日１日頑張れば、明日は休みだと鏡の中の自分に言い聞かせ会社に向かった。



「おはようございまーす。」

事務所に挨拶しながら入って行くと、社長が出迎えてくれた。

「おはよう。和花なんかあったか？
顔色悪いぞ！大丈夫か？」

「なんにもないですよ。大丈夫です。」

笑顔で社長に元気だとアピールするが、社長は疑いの眼差しで私を観察している。

事務所に出社している他の運転手さん達も心配してくれるが、なんとか誤魔化し
事故の無いよう細心の注意をはらい、今日の現場に向かった。


現場に着いて挨拶していると私の視界に樹が映った。一瞬目が合ったが、すぐそらされてしまう。

仕事だと自分に言い聞かせて、土を積み込む順番を待っていると、

「和花ちゃん おはよう。」

大倉海星(おおくら かいせい)さんが話かけてきた。