あなたと出会うため【完】 番外編【完】
北海道から帰ってきて、最初の金曜日。

江本さんに誘われて食事に出かけた。
いつもは居酒屋とかファミレスが多かったのに、今回は少し高めなレストランに連れていってくれた。

慣れない場所で緊張していると、

「緊張してる?」

「はい。こういう場合に来ることなくて………」

「実は俺も………でも、今日は特別だから。」

笑顔でそう言ってくれる江本さん。
特別ってなんだろう?と思いながら、

「江本さんでも………」

緊張するんですね。と言おうと思ったら、

「春弥!って呼んで! なんかよそよそしくてヤダ!」

「は、は……る……や……さん」

江本さんの言い方が子供みたいで可笑しくて笑ってしまったけど、名前を呼ぶのは慣れないし、恥ずかしくて真っ赤な顔をしながら呼ぶと

「和花かわいい。でも、さん付けいらない。樹は【樹】なのに俺はさん付けヤダ! それに、敬語もヤダ!」

そう言われて、「春……弥。」と呼ぶと満足してくれた。

食事が運ばれてきて、2人で楽しい時間を過ごした。

食後に飲み物を飲んでいた時、急に春弥が改まって

「俺は和花が好きだ。 俺と付き合ってくれるか?」

「えっ!急に何?」

「ああ。ちゃんと言っておきたくてな!………で、返事は?」

ビックリしたけどすごく嬉しくて、目から涙が流れ出した。

「(泣)………は、い。お願いします。」

私の返事を聞いて、満足そうに笑ってくれた。………春弥のこの笑顔………私好きだな。

「春弥 大好き。」 私も笑顔でそう言っていた。
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