甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
私はゆっくりと彼の座るソファーに近づき、一番端に腰を下ろした。

「船は、自分で操縦するんですか?」

「もちろん。昔から船が好きでね。学生の時に船舶免許を取ったんだ」

間宮さんの将来の夢は、自分で外観も船内もデザインした客船を作ること。

居心地のいい空間で大海原を旅するのはきっと最高だよと微笑む。

そして、自分の所有する船の画像を見せてくれた。

その船は外観は黒とゴールドと白が基調の品のいいデザインで、最大六人乗り。船内には簡易ベッドやトイレ、炊事場もついていた。

「素敵……」

その画像を見ながら思わずため息と声が漏れる。

こんな素敵な船に乗せてもらえるなんて夢みたい。

しかも間宮さんと二人で。

想像するだけでわくわく気持ちが高ぶってくる。

「キャン!」

そんな気持ちに浸っていたら、まるで「忘れるなよ」と言わんばかりの大きな声でぷーすけが鳴いた。

思わず間宮さんと顔を見合わせて吹き出す。

「しょうがないな」

彼はぷーすけの耳元を撫でながら「お前もつれていってやるか」と笑う。

私も間宮さんと目が合って頷いた。

ぷーすけがいたから私は間宮さんとこうして一緒にいられる。

私の恋の大事な恩人、いいや恩犬だから。


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