甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
船着き場の駐車場に車を置き、港に向かって歩く。
太陽は既に上り、波間は朝日でキラキラと輝いていた。
「船をこの漁港倉庫で保管してくれてる友人がいて、既に船着き場に僕の船を出してくれてる。ほら、あれが僕の船」
指さす方向に写真で見せてもらった黒い美しいフォルムの船が波に揺れていた。
そして、その船の前に立っている浅黒い男性がこちらに向かって手を振っている。
そばにいくと、その男性は親し気に間宮さんの肩を叩きながら笑った。
「久しぶりだな。元気してたか?」
「ああ、お前は?」
「この通り元気さ。あれ?横の彼女は?」
その男性は、わざとらしくニヤッと笑いながら私の方に視線を向ける。
私は慌てて頭を下げた。
「広瀬凛さん。こいつが世話になってるんだ」
間宮さんはそう言って、まだゲージに入ったままのぷーすけを少し持ち上げた。
「広瀬凛さん?いやー、珍しいね、お前が女連れてくるの。しかも船に乗せるなんてさ」
「その話はいいよ」
彼は苦笑しながら、その男性の頭を軽く叩くと続けた。
「さ、広瀬さん、このぶっきらぼうな奴は俺の高校時代からの親友で鍋島海斗(なべしまかいと)。今はここで自分の父親の漁業をついでるまさに海の男。僕の船のメンテから何から何までかなり世話になってるんだ」
「広瀬凛です。よろしくお願いします」
もう一度ぺこりと頭を下げる。
「へー、すごい美人さんじゃん。久々にこんな美人にお目にかかれて光栄です」
鍋島さんは頭を掻きながら私の前に右手を差し出した。
その右手を間宮さんはすぐさまペシッと叩く。
「そんなのはいいから」
そう言った彼の横顔に、胸がキュンとなる。
間宮さんにとっては、特に深い意味はないのかもしれないけれど。
普段見せない男っぽい彼の横顔だった。
太陽は既に上り、波間は朝日でキラキラと輝いていた。
「船をこの漁港倉庫で保管してくれてる友人がいて、既に船着き場に僕の船を出してくれてる。ほら、あれが僕の船」
指さす方向に写真で見せてもらった黒い美しいフォルムの船が波に揺れていた。
そして、その船の前に立っている浅黒い男性がこちらに向かって手を振っている。
そばにいくと、その男性は親し気に間宮さんの肩を叩きながら笑った。
「久しぶりだな。元気してたか?」
「ああ、お前は?」
「この通り元気さ。あれ?横の彼女は?」
その男性は、わざとらしくニヤッと笑いながら私の方に視線を向ける。
私は慌てて頭を下げた。
「広瀬凛さん。こいつが世話になってるんだ」
間宮さんはそう言って、まだゲージに入ったままのぷーすけを少し持ち上げた。
「広瀬凛さん?いやー、珍しいね、お前が女連れてくるの。しかも船に乗せるなんてさ」
「その話はいいよ」
彼は苦笑しながら、その男性の頭を軽く叩くと続けた。
「さ、広瀬さん、このぶっきらぼうな奴は俺の高校時代からの親友で鍋島海斗(なべしまかいと)。今はここで自分の父親の漁業をついでるまさに海の男。僕の船のメンテから何から何までかなり世話になってるんだ」
「広瀬凛です。よろしくお願いします」
もう一度ぺこりと頭を下げる。
「へー、すごい美人さんじゃん。久々にこんな美人にお目にかかれて光栄です」
鍋島さんは頭を掻きながら私の前に右手を差し出した。
その右手を間宮さんはすぐさまペシッと叩く。
「そんなのはいいから」
そう言った彼の横顔に、胸がキュンとなる。
間宮さんにとっては、特に深い意味はないのかもしれないけれど。
普段見せない男っぽい彼の横顔だった。