甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
「じゃ、僕から広瀬さんに尋ねていい?」

「え、は、はい!」

突然振られて体がビクンと跳ね、ぷーすけも目を丸くして私の顔を見上げた。

「広瀬さんは好きな人いるの?」

瞬く間に顔が熱くなる。

絶対赤くなってる。こんな間近で赤くなってるなんて恥ずかしすぎる。

「いや、答えたくないならいいんだ。だけど僕が半ば無理やり自分の家に住まわせたり、今日みたいに連れまわしたりして迷惑じゃないかなと心配でさ」

そんな心配してくれてるんだ。

私の好きな人が、まさか間宮さんだなんてこれっぽっちも思わないのかしら。

少しがっかりしながら首を横に振った。

「大丈夫です」

「そうか。なら、まだ僕が連れまわしていても問題ないのかな」

「ないです。全然」

「広瀬さんはその本質が見えそうでなかなか見えてこない女性だね。こんなに一緒にいるのにまだわからない」

わからないのはいいことなんだろうか。

うつむいたまま黙っていたら、間宮さんが笑った。

「どうしてそんな風にいつもうつむくの?今僕が言ったことは決して君を否定してるわけじゃないよ。むしろ魅力的だってことを伝えたいだけ」

また顔が熱くなる。

その顔をぷーすけがペロッと舐めたので思わず笑ってしまった。
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