甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
母は、最初は困惑していたけれど、必ず毎朝起床時と夜寝る前にメールすることを条件に渋々許してくれた。

そして、外泊するときは必ず母の許可を通してからと付け加えた。

その点に関しては、間宮さんの家に住むようになってから守れていないけれど。

毎日のメールだけは欠かしていないから、今のところ母も気づいてないようだ。

ただ、もし母と面と向かった時、今の状況について尋ねられたら嘘を付き通せる自信は全くない。

結婚前の女性が独身男性の家に住むなんて、母の概念には皆無だろうから、そこを強く指摘されたら負けるに決まってる。

どんな理由があったとしても自分の概念にないことは受け入れないということはこれまでの母をみてよくわかっていた。

それに嘘をついてまでわかってもらおうとは私も思ってはいない。

私には母が必要だったし、きっと母も私を必要としているから。

その関係を壊してまで自分の意思を貫き通すってことが今の私にはまだできない。

他人からみたらおかしく思われるかもしれないけど。

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「私ってやっぱり変ですよね」

寄せてくる波を軽く足で蹴ると白い泡がはじけ飛んだ。

こんな話、きっとつまらない。

全部話してしまってから後悔する。

どうしてこんな話をしてしまったのか。

間宮さんに私のこと知ってもらいたかった。

こんな自分でもいいよって認めてもらたかったからだろうか。

でも、どう考えても一般的には風変りな家族の中で育った私のことを知ってもらったとしても、それがいいように作用するとは思えない。

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