甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
「あの、田丸さんはどうしてこちらへ?」
思わず声が震える。
「あ、俺?間宮さんに書類を持ってくるよう頼まれてね。疑ったような目で見てるけど、勝手に仕事部屋に入ったわけじゃないよ」
近づいてきた彼が私の正面で立ち止まった。
その距離は15センチもないんじゃないかというくらいに近い。
思っていた以上に背の高い彼が、すごい威圧感とともに細い目の奥を強く光らせて私を見下ろしていた。
ぷーすけが急におとなしくなり鼻を鳴らしながら私のそばに駆け寄ってきた。
田丸さんの手には大きくて分厚い封筒。まさか、まさかだよね……。
田丸さんの言ってることは本当なの?
私でも入ったことのない仕事場に、自分の後輩を簡単に入れるだなんて、やっぱり信じられなかった。
彼のためにできること。
『迷ってちゃだめ』
安友さんからさっき言われた言葉が私の頭の中で回っていた。
彼が今寝る間も惜しんで制作しているデザイン画が、もし持ち出されそうになってたとしたら。
田丸さんは、「急いでもっていかないと」と言って、扉の前に立ち塞がる私の肩に手を置く。
その手はひんやりと冷たかった。
「あ、あの!」
「なに?」
彼はイライラしているのを必死に抑えこんでいるかのように怪訝な顔で私を見下ろす。
思わず声が震える。
「あ、俺?間宮さんに書類を持ってくるよう頼まれてね。疑ったような目で見てるけど、勝手に仕事部屋に入ったわけじゃないよ」
近づいてきた彼が私の正面で立ち止まった。
その距離は15センチもないんじゃないかというくらいに近い。
思っていた以上に背の高い彼が、すごい威圧感とともに細い目の奥を強く光らせて私を見下ろしていた。
ぷーすけが急におとなしくなり鼻を鳴らしながら私のそばに駆け寄ってきた。
田丸さんの手には大きくて分厚い封筒。まさか、まさかだよね……。
田丸さんの言ってることは本当なの?
私でも入ったことのない仕事場に、自分の後輩を簡単に入れるだなんて、やっぱり信じられなかった。
彼のためにできること。
『迷ってちゃだめ』
安友さんからさっき言われた言葉が私の頭の中で回っていた。
彼が今寝る間も惜しんで制作しているデザイン画が、もし持ち出されそうになってたとしたら。
田丸さんは、「急いでもっていかないと」と言って、扉の前に立ち塞がる私の肩に手を置く。
その手はひんやりと冷たかった。
「あ、あの!」
「なに?」
彼はイライラしているのを必死に抑えこんでいるかのように怪訝な顔で私を見下ろす。