甘くてやさしくて泣きたくなる～ちゃんと恋したい

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シンガポールにいる弥生から久しぶりにエアメールが届いた。

昨年末、身内で簡単に式を済ませた弥生は、彼と一緒にシンガポールに渡った。

交渉していた仕事の件も、なんとか受け入れてもらえ、シンガポールでも引き続き仕事を任されているらしい。

式での弥生は本当に幸せいっぱいの笑顔で、その笑顔に何度もうれし泣きしてしまったっけ。

色んな困難を乗り越えて、ようやく掴んだ幸せ。

彼女もまた過去の自分とさよならして、なりたい自分になった人。

『やほー！凛♡
シンガポールは想像以上に快適暮らしです。
お手伝いさんがいてくれるから、家事も楽ちんなの。
おかげさまで仕事にも専念できてるわ』

そうなんだ。シンガポールは住みやすいって聞いたことあるけれど本当なのね。

『間宮さんとは変わらずラブラブしてますか？
次私が日本に帰るときには結婚決まってたりして？！
朗報楽しみに待ってます。今年もよろしくね！
あなたの愛する弥生より』

またそんな気の早いこと！まだまだあるわけないじゃない？

私の目標であるトリマーの資格すらまだ取れてないのに。

壁に貼り付けているカレンダーに目をやり、ふぅと息を吐いた。

試験はいつの間にかもう今週末に迫っている。

試験の緊張プラス、その後のことが更に私を緊張させていた。

全て、うまくいく。

大丈夫よね、弥生。

エアメールのはがきの写真は、弥生と旦那様がマーライオンの前で大きな口を開けて笑ってる笑顔。

その笑顔に頷き、自分のスケジュール帳にお守り代わりに挟んだ。