甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
半年前の5月から私はこの店でトリマーとして働いている。
本当は切りのいい4月から働きたかったんだけど、勤めていた会社に事情を説明して退職の許可をもらい、引き継ぎもあったから一か月遅れのスタートはやむを得なかった。
まずは同期の直美に報告。
辞めることと同時に、樹さんとのことも告げた。
もしかしたら、直美が樹さんに恋をしているかもしれないと思っていたから、かなり言葉を選び緊張する告白だったのに。
「えー!あのイケメンデザイナーと!もう抜け駆けだぁ」
なんてすごくうれしそうな顔で私を抱きしめるもんだから、こっちが驚いてしまった。
「え?直美、間宮さんのこと、好きじゃなかったの?」
恐る恐る尋ねると、直美は目を三日月みたいに曲げて意味深に笑う。
「間宮さんみたいなすごい人、とても私には手が届かない存在だって最初からあきらめてたわよ」
「でも、仕事関係で出会ったイケメンに恋してるみたいなこと言ってなかった?」
「ああ~、彼ね。営業先で知り合った量販店の社長の息子。すごく優しくてねぇ」
「なぁんだ」
私の全身の力が抜けていく。
ずっと直美にどうやって打ち明けようかって悩んでたのに。
「なぁんだ、とは何よ!」
「ごめんごめん。それでその彼とは?」
「年末に結婚するわ」
「ええ!!」
突然の直美からの告白に目を大きく見開いた。
本当は切りのいい4月から働きたかったんだけど、勤めていた会社に事情を説明して退職の許可をもらい、引き継ぎもあったから一か月遅れのスタートはやむを得なかった。
まずは同期の直美に報告。
辞めることと同時に、樹さんとのことも告げた。
もしかしたら、直美が樹さんに恋をしているかもしれないと思っていたから、かなり言葉を選び緊張する告白だったのに。
「えー!あのイケメンデザイナーと!もう抜け駆けだぁ」
なんてすごくうれしそうな顔で私を抱きしめるもんだから、こっちが驚いてしまった。
「え?直美、間宮さんのこと、好きじゃなかったの?」
恐る恐る尋ねると、直美は目を三日月みたいに曲げて意味深に笑う。
「間宮さんみたいなすごい人、とても私には手が届かない存在だって最初からあきらめてたわよ」
「でも、仕事関係で出会ったイケメンに恋してるみたいなこと言ってなかった?」
「ああ~、彼ね。営業先で知り合った量販店の社長の息子。すごく優しくてねぇ」
「なぁんだ」
私の全身の力が抜けていく。
ずっと直美にどうやって打ち明けようかって悩んでたのに。
「なぁんだ、とは何よ!」
「ごめんごめん。それでその彼とは?」
「年末に結婚するわ」
「ええ!!」
突然の直美からの告白に目を大きく見開いた。