甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
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「広瀬さん、今日もありがとうー。助かったわぁ」
会計を済ませた浅野さんが額の汗を手の甲で拭きながら休憩室でコーヒーを飲んでいた私のそばに駆け寄ってきた。
「いいえ、お安い御用です」
「大丈夫だった?タマオに噛まれたりしなかった?」
浅野さんは自分のコーヒーを入れながら心配そうな目で私の方に顔を向ける。
「ええ、全然大丈夫でした。おりこうさんでしたよ」
「はぁ~、広瀬さんはここのスタッフから色々聞いてたけれど、やっぱり神掛かってるわ。どうしたら、あんな犬をたやすく手なずけられるの?」
「手なづける?」
私にはそんな意識は全くない。
ただ、自然に……。
「きっと、私は彼や彼女たちを犬だと思ってないんだと思います」
「へ?」
浅野さんはその意味がわからないのか、キョトンとした表情でコーヒーカップに口をつけたまま固まっていた。
「すみません、今日は午前勤務で。お先に失礼します!」
私はさっと上着を羽織り、浅野さんに会釈をすると部屋を後にした。
「広瀬さん、今日もありがとうー。助かったわぁ」
会計を済ませた浅野さんが額の汗を手の甲で拭きながら休憩室でコーヒーを飲んでいた私のそばに駆け寄ってきた。
「いいえ、お安い御用です」
「大丈夫だった?タマオに噛まれたりしなかった?」
浅野さんは自分のコーヒーを入れながら心配そうな目で私の方に顔を向ける。
「ええ、全然大丈夫でした。おりこうさんでしたよ」
「はぁ~、広瀬さんはここのスタッフから色々聞いてたけれど、やっぱり神掛かってるわ。どうしたら、あんな犬をたやすく手なずけられるの?」
「手なづける?」
私にはそんな意識は全くない。
ただ、自然に……。
「きっと、私は彼や彼女たちを犬だと思ってないんだと思います」
「へ?」
浅野さんはその意味がわからないのか、キョトンとした表情でコーヒーカップに口をつけたまま固まっていた。
「すみません、今日は午前勤務で。お先に失礼します!」
私はさっと上着を羽織り、浅野さんに会釈をすると部屋を後にした。