甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
薄暗い照明の小さな飲み屋には既にたくさんの人でにぎわっていて、あきらめて店を出ようとしたら、まるで私たちのために用意されたかのようにカウンターの二席だけが空いていた。
カウンターの向こうにはラフなTシャツを着た30代後半くらいの寡黙だけどガタイのいい店主らしき男性が黙々と調理している。
調理場の奥にはもう一人店主の奥さんなのか彼女なのか、割と若くてほっそりとした女性が慌ただしくカクテルを作っていた。
「この店はオリジナルの珍しいメニューが多くてね、頼んで出てくるまでが楽しみなの」
最初、弥生がそう言った意味がよくわからなかったけれど、メニューを見てなるほどと思った。
例えば前菜のメニューには、『三日月の夜、なんだか涙が出た』とか『太陽の鼻歌』とか、まるで何かの曲名みたいなロマンチックな言葉が羅列しているだけ。
その料理のイメージで店主が勝手にネーミングを付けてるらしい。
でもこちらが尋ねたら、具材やメインの味付くらいは大まかに教えてくれるんだって。
その料理名は店主の繊細さがあふれているようで、私は嫌いじゃないと思った。
弥生のおすすめ料理をいくつか頼んで、弥生と久しぶりの再会に乾杯する。
カウンターの向こうにはラフなTシャツを着た30代後半くらいの寡黙だけどガタイのいい店主らしき男性が黙々と調理している。
調理場の奥にはもう一人店主の奥さんなのか彼女なのか、割と若くてほっそりとした女性が慌ただしくカクテルを作っていた。
「この店はオリジナルの珍しいメニューが多くてね、頼んで出てくるまでが楽しみなの」
最初、弥生がそう言った意味がよくわからなかったけれど、メニューを見てなるほどと思った。
例えば前菜のメニューには、『三日月の夜、なんだか涙が出た』とか『太陽の鼻歌』とか、まるで何かの曲名みたいなロマンチックな言葉が羅列しているだけ。
その料理のイメージで店主が勝手にネーミングを付けてるらしい。
でもこちらが尋ねたら、具材やメインの味付くらいは大まかに教えてくれるんだって。
その料理名は店主の繊細さがあふれているようで、私は嫌いじゃないと思った。
弥生のおすすめ料理をいくつか頼んで、弥生と久しぶりの再会に乾杯する。