甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
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ベッドから体を起こし、グーっと天井に向かって伸びをする。

部屋の窓を開けると、ひんやりとした風が私の前髪をかき上げた。

朝一番の風が、夜中に溜まった澱む空気を浄化していくようだ。

そして、欠かせない毎朝の日課。

キンキンに冷やした炭酸水を一気にのどに流し込む。

眠っていた体と頭が炭酸の刺激で活動モードに切り替わるこの瞬間が好きだった。

炭酸水を飲まない朝は私には考えられない。

これも真面目で融通の利かない自分の性格だと思うと、ややうんざりした気持ちになるけれど、今更どうこう言っても仕方がないこともよくわかっていた。

パジャマを脱いで、長袖の白黒チェックのワンピースを頭から被る。

そして、トーストを焼いている間に母に「おはよう」のLineを送った。

一年前、一人暮らしをようやく許してもらえた私は、許してもらう代わりに毎朝母に連絡するよう義務付けられていたから。
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