甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
マンションの前で待っていると、ほどなくしてやってきた大きな一台のセダンが静かに私の前に停車した。
運転席の扉が開き、ずっと会いたかったけれど会っちゃいけない間宮さんの姿が現れる。
私の顔を見ると、彼はあの時のように優しく微笑み「また会っちゃったね」と言った。
息苦しいくらいに胸がドキドキしていて、私は間宮さんに何も言えないまま頭を下げる。
「さ、乗って。店長を待たせてるし急ごう」
「はい」
私は彼が開けてくれた助手席に乗り込みシートベルトをしっかりと締めた。
真っ暗な住宅街を抜け、線路沿いの道を車は走る。
「本当に助かりました。ありがとうございました」
「いや僕も本当によかったよ。逆に僕に依頼してくれてありがとうって感じ」
そうだった。
私、間宮さんってこと知らずに『パーソナル・サポート・エブリシング・M』に依頼していたんだということを思い出す。
「あの、今回の依頼料は?」
「ああ……」
彼はしばらく考えてから答えた。
「この間、ぷーすけを捕まえてくれたから、そのお礼ってことで今回は依頼料はいらないよ」
「え?」
「ぷーすけはいったん逃げ出すといつもなかなか捕まらなくてやっかいなんだけど、あの時は本当に助かった」
「でも、こんな夜遅くに車まで出してもらったし……」
「これは仕事だからどうってことないよ。いつも夜中の三時くらいまではなんだかんだやってるから」
夜中の三時まで?
昼間はデザイナーの仕事してるのに大丈夫なんだろうか。
こんなに華奢で繊細な手をしているのに。
ハンドルを握る、彼の長い指を見つめながら思っていた。
運転席の扉が開き、ずっと会いたかったけれど会っちゃいけない間宮さんの姿が現れる。
私の顔を見ると、彼はあの時のように優しく微笑み「また会っちゃったね」と言った。
息苦しいくらいに胸がドキドキしていて、私は間宮さんに何も言えないまま頭を下げる。
「さ、乗って。店長を待たせてるし急ごう」
「はい」
私は彼が開けてくれた助手席に乗り込みシートベルトをしっかりと締めた。
真っ暗な住宅街を抜け、線路沿いの道を車は走る。
「本当に助かりました。ありがとうございました」
「いや僕も本当によかったよ。逆に僕に依頼してくれてありがとうって感じ」
そうだった。
私、間宮さんってこと知らずに『パーソナル・サポート・エブリシング・M』に依頼していたんだということを思い出す。
「あの、今回の依頼料は?」
「ああ……」
彼はしばらく考えてから答えた。
「この間、ぷーすけを捕まえてくれたから、そのお礼ってことで今回は依頼料はいらないよ」
「え?」
「ぷーすけはいったん逃げ出すといつもなかなか捕まらなくてやっかいなんだけど、あの時は本当に助かった」
「でも、こんな夜遅くに車まで出してもらったし……」
「これは仕事だからどうってことないよ。いつも夜中の三時くらいまではなんだかんだやってるから」
夜中の三時まで?
昼間はデザイナーの仕事してるのに大丈夫なんだろうか。
こんなに華奢で繊細な手をしているのに。
ハンドルを握る、彼の長い指を見つめながら思っていた。