甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
私の勤める『TAWAKI製菓』は、昔から地元にある中小企業で、主に子ども向けのお菓子を作っている。
父の友人がこの会社の重役をしていたこともあり、その伝手で入社させてもらった。
電車を降り、足早に住宅街を抜けた先に走る国道を右折するとやや年期の入った、お世辞にもきれいとはいえない白い建物が見えてくる。
そこが私の職場だ。
所属は販売部管理課。主に販売の収益の管理や会計といった庶務的な仕事をしている。
特にやりたかった仕事ができているわけでも、やりがいがあるわけでもないけれど、それなりに居心地のいいこの会社で今年勤務三年目を迎えた。
「おはよう、広瀬さん」
販売部のフロアに入っていくと、愛想のいい笑顔で販売課長の榎木さんが声をかけてくる。
「おはようございます」
榎木さんに挨拶をし、既に出勤している同僚たちに頭を下げながら私も席についた。
デスクのパソコンを立ち上げていると、斜め前に座る販売課の上田さんと山上さんの話声が聞こえてくる。
別に聞こうと思っていたわけではないけれど、勝手に耳に入ってくるものはしょうがない。
父の友人がこの会社の重役をしていたこともあり、その伝手で入社させてもらった。
電車を降り、足早に住宅街を抜けた先に走る国道を右折するとやや年期の入った、お世辞にもきれいとはいえない白い建物が見えてくる。
そこが私の職場だ。
所属は販売部管理課。主に販売の収益の管理や会計といった庶務的な仕事をしている。
特にやりたかった仕事ができているわけでも、やりがいがあるわけでもないけれど、それなりに居心地のいいこの会社で今年勤務三年目を迎えた。
「おはよう、広瀬さん」
販売部のフロアに入っていくと、愛想のいい笑顔で販売課長の榎木さんが声をかけてくる。
「おはようございます」
榎木さんに挨拶をし、既に出勤している同僚たちに頭を下げながら私も席についた。
デスクのパソコンを立ち上げていると、斜め前に座る販売課の上田さんと山上さんの話声が聞こえてくる。
別に聞こうと思っていたわけではないけれど、勝手に耳に入ってくるものはしょうがない。