甘くてやさしくて泣きたくなる～ちゃんと恋したい
四回目の再会。

神様は何をけしかけてるの？私はどうすればいいの？

間宮さんからの相談だなんて。
知り合って間もない私に、間宮さんみたいな人が一体何を相談しようっていうの？

クエスチョンマークが頭の中で飛び交いながらも、また会える喜びは私の足取りを軽くする。

いつも履かない白いスニーカーの砂利を踏む音が軽やかに響く。

公園の外に出ると、待ち合わせの時間通りに彼の車が停まっていた。

この間乗せてもらった時は暗くてわからなかったけれど、間宮さんの車は一目で高級車だとわかるほどに黒く美しく輝いている。

「今日は急に申し訳ない。さ、乗って」

助手席側の窓が開き、運転席から彼がすまなさそうな表情で言った。

私はコクリと頷くと、彼の助手席に素早く乗り込む。

車内には革張りのいい香りしている。エンジン音も静かで滑るように道を走っていった。

ふいに彼が口を開く。

「広瀬さんさえ嫌じゃなかったら、これから僕の家に来ませんか？」

妙にあらたまった彼の口調に体がビクンとなった。

間宮さんの家に行く？

そんなことしてもいいの？付き合ってもいないのに？

だけど、それ以前に間宮さんは結婚しているかもしれないし、彼女と暮らしているかもしれない。

彼女のことを聞くのは今しかない。

被っていたキャップを頭から外すと、彼の方に顔を向けた。


< 52 / 233 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop