甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
「る、留守を頼まれているものです……」
頭が混乱していてその時はそうしか言えなかった。
『T町の安友です。以前も社長にはお世話になりました。あの、どなたでも構いません。すぐに来ていただけませんか?駐車場で転倒して、動けないんです』
そう言いながらも安友さんの息遣いが、最初よりも和らいでいるのを感じる。
きっと誰かと電話がつながったことで安心したのかもしれない。
緊迫した空気の中では神経が研ぎ澄まされているせいか、不思議と相手の気持ちが手に取るように伝わってくる。
電話を取ってしまった私の責任上、助けに行くしかない。だって今安友さんを助けられるのは私しかいないんだもの。
「住所を教えて下さい」
『ありがとう……住所は、』
安友さんから聞いた住所をメモに手早く書き写し、すぐに向かいますと言って電話を切った。
私の足元でくるくる回るぷーすけの前にしゃがみこみ、両手でその丸い顔を挟む。
「ごめんね。ちょっと行ってくる」
間宮さんも夜に出かけなければいけない時はこんな風にぷーすけに声をかけているんだろうか。
ぷーすけはその事態を知ってか知らずか、私の手をペロッと舐めて笑った。
頭が混乱していてその時はそうしか言えなかった。
『T町の安友です。以前も社長にはお世話になりました。あの、どなたでも構いません。すぐに来ていただけませんか?駐車場で転倒して、動けないんです』
そう言いながらも安友さんの息遣いが、最初よりも和らいでいるのを感じる。
きっと誰かと電話がつながったことで安心したのかもしれない。
緊迫した空気の中では神経が研ぎ澄まされているせいか、不思議と相手の気持ちが手に取るように伝わってくる。
電話を取ってしまった私の責任上、助けに行くしかない。だって今安友さんを助けられるのは私しかいないんだもの。
「住所を教えて下さい」
『ありがとう……住所は、』
安友さんから聞いた住所をメモに手早く書き写し、すぐに向かいますと言って電話を切った。
私の足元でくるくる回るぷーすけの前にしゃがみこみ、両手でその丸い顔を挟む。
「ごめんね。ちょっと行ってくる」
間宮さんも夜に出かけなければいけない時はこんな風にぷーすけに声をかけているんだろうか。
ぷーすけはその事態を知ってか知らずか、私の手をペロッと舐めて笑った。