甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
安友さんから聞いた住所までは、もちろん自分で車を運転するなんてことはできないからタクシーを使う。

マンションからその住所まではさほど遠くなく15分ほどで到着した。

タクシーを降りると、【安友】と書かれた表札を探す。

「わ、すごい……」

その表札のかかる家の門があまりにも立派で一瞬ひるんだけれど、その門の少し先に駐車場が見えたので急いで向かった。

シャッターがぎりぎりのところで止まっている。そしてそのぎりぎりのところから何かが突き出していた。

足?

ひょっとして安友さんは転倒して、シャッターに足を挟まれてるの?

胸がざわざわと不安をかきたて、自分の呼吸が荒くなっていく。

その足の見える前にしゃがみ、「安友さん!」と呼んでみた。

足がわずかに動き、中から「はい!ここです!」という声が聞こえる。

シャッターの下に手を入れ、ぐっと上げようとするもうんともすんとも動かない。

「パーソナル・サポートさん、それじゃ無理よ。シャッターは私の持っているリモコンでしか作動しないの」

「リモコンはどちらですか?」




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