勇者のための聖女
勇者は外套を外し、シャツのボタンを3つまで緩めると聖女を試すように見つめた。
「…え?」
「どうした?使命を全うするんだろ?」
いつも勇者からの行為に身を委ねてばかりいた聖女はどうすればいいのか分からず固まってしまった。
そしてエメラルドグリーンの瞳に雫が溜まり始めるが、今日は使命から逃れられない日でもあるのだ。
勇者はそれを分かっていながら聖女を困らせて喜んでいるのが見え見えだ。
使命から逃れられない日…
それは月に1度訪れる満月の日。
聖女の加護の力が最大に高まり、次の満月が訪れるまで勇者を護り続けると言われている。
そしてその加護の力を与える方法はただ1つ。身体を繋げるしかない。
聖女は心を決めてスカートの裾を持ちあげ勇者に跨った。