勇者のための聖女


今日は何があっても身体を繋げなければならないのだ。
加護は勇者のオーラを包むように現れるため、神官などの"視える"人が見れば一目瞭然。


聖女が使命を全うしていないことが分かればエルミナージュの代わりに各地にいる別の聖女が加護を与える使命を引き継ぐことになる。

エルミナージュの代わりになる聖女候補は他にも複数いる。聖女を辞めたいのであれば使命を無視すればいつでも辞めることは可能である。

しかしエルミナージュは"聖女"を辞めたいと思ったことはない。

エルミナージュの代わりに"聖女"となった女性に勇者が触れることを想像するだけでも耐えられない。


エルミナージュは勇者をいつしか愛するようになってしまっていた。

勇者が意地の悪い事を言うのは常日頃であるが、旅が始まってから勇者がエルミナージュを常に護ってくれているのも事実なのである。


エルミナージュの肌には1度だって傷がついたことはない。それは全て勇者が護ってくれている証でもあった。


私が出来ることをしなければ…

聖女は心を決めると勇者のシャツを脱がせていく。


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