桜の木に寄り添う

病室

おばあちゃんは、救急車で運ばれ幸い近くの病院に行くことが出来たため、私は後から行くことに。
 病院に着くまでの間は不安でたまらない気持ちだった。

 おばあちゃん、どうか大丈夫でありますように。

 私は呪文のように心の中でそう唱えていた。

 やっと病院に着き、受付でおばあちゃんの病室を聞いて、急いでおばあちゃんの元へ向かった。

 病室に着いたら、おばあちゃんは眠っていた。
 すぐにおばあちゃんの手を握って私は、涙が出てしまった。
 病室に来ると、やはりお母さんの事を思い出してしまう。
 お母さんが亡くなった事。本当に突然の出来事だった。
 けれどおばあちゃんは、最近あまり眠れていなかったため、疲労がたまったのだろうと医者からは伝えられた。
 それを伝えられた時、安心したのか涙が自然と溢れ出てしまったのだ。

「 おばあちゃん、ゆっくり休んで 」

 眠っているおばあちゃんに私はそう伝えると、おばあちゃんの手を布団の中へしまい、私は病室の外に出た。
 近くにいたら、ゆっくり眠れないのではないかと思ったからだ。
 でもおばあちゃんが目を覚ました時そばにいてあげたい。
 きっと誰もいないと寂しいと思うから。

 そう思い私は、病室の近くの休憩室へと向かった。
 自動販売機で珈琲を買い、窓を見ながら飲み始めた。

 冬の空が私を寂しい気持ちへと向かわせる。
 木も葉が一枚もなく、枯れているからだろう。

 外を眺めていたら、ふと思った。

「 どうして、おばあちゃんはあまり眠れていなかったのかな 」


 おばあちゃんが起きたら、聞いてみようかな。
 私は少しでも力になりたいと思っていた。
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